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ブルガリア歌劇場「カルメン」 [音楽]

10月6日。15時~18時。東京文化会館でブルガリア歌劇場「カルメン」をみる。

思いがけない演出で、能の影響は明らかだ。「カルメン」は運命劇だが、その部分だけを抽出すると、こういう演出になるのかと思う。

群衆は、カルメンとホセの運命を傍観するだけの存在だ。

セットも抽象的で、蒸留水を飲むような味気なさを感じた。馴染めない。スペインの熱気がまったく感じられない。

第4幕だけは別。

原田慶太楼の指揮は微温的である(ように聞こえた)。(自分の聴力の問題もあるかもしれない。)途中で眠くなった。「カルメン」がこれでは困る。


歌手はカルメン役のゲルガーナ・ルセコーヴァがよく、他の歌手は日本人歌手と変らない。

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10/5 新日本フィル演奏会 [音楽]

10月5日、14時から、新日本フィル演奏会をすみだトリフォニー・ホールで聴く。指揮は上岡敏之。

オール・ベートーヴェン・プログラムで

①交響曲第4番
②ピアノ協奏曲第2番(ピアノ:田部京子)
③交響曲第7番
(アンコール メンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」より第4楽章。)


低音が聞こえないのに参る。コントラバスが弾いている姿は見えるが、全然響いてこない。自分の聴力の衰えは歴然としている。

高齢になれば、聴力は落ちる。しかし、このことを問題にする記述を読んだことがない。演奏も違って聞こえるはずだ。


高音域はすでに聞き取りにくくなっていることは自覚しているが、低音域も同じ運命になった。中音域だけが目立って聞こえる。

高額のチケット代を払ってコンサートへ行っても仕方ない。

そういう聴力を前提にこのコンサートを聴く。新日本フィルは粗いところのあるオケだと思っていたが、今回のコンサートではそういうところがなかった。流麗、スマートな演奏だった。

その点からみれば、交響曲第4番が適合する。名演だった。第7はスマートすぎた。ピアノ協奏曲第2番は弱音部は玉を転がすような美音だったが、低音が響かず、訴える力が弱かった。


(追記)

N響のバイオリン奏者だった鶴我裕子の「バイオリストは弾かない」を読む。この中のN響の団員との対談で、今の指揮者はツンツルテンの音楽作りをするという話で意気投合している。

スマートというか、ツンツルテンというか、これが若い指揮者の特徴であるらしい。

”スマート、ツンツルテン、標準的、教科書的”と並べ立てれば、コンサートの中味も想像が付く。

第7番の第4楽章に迫力を感じないのは寂しい。


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