SSブログ

阿部加奈子=新日本フィル演奏会 [音楽]

2023年9月30日。すみだトリフォニーホールで。

プラグラムは前半がラヴェルで、後半がチャイコフスキー。曲想が全然違うように思える。どうしてこんな組み合わせになったものか。

1曲目は、「亡き王女のためのパヴァーヌ」で、ヒーリング・ミュージックの代表作である。冒頭のホルンももやもやし、終結もどこで終わったか分りかねる曲だ。始めもなく、終わりもないような気がする。ホルンのコクが今ひとつ。阿部加奈子の指揮は隈取りがハッキリしていた。

2曲目は、ピアノ協奏曲。ピアノは三浦謙司。ジャズっぽい曲といった印象だが、第2楽章は美しい。これもヒーリング・ミュージックに収めたいところだ。三浦謙司のピアノは素晴らしく、アンコールのバッハを含め、感心した。

後半はチャイコフスキーの「悲愴」だった。大熱演というしかない。演奏が終了しても指揮者はタクトを下ろさなかった。多分、泣いていた。タクトをおろすのに20秒か、30秒かかった気がする。日本人らしからぬ?思い切った振り方だった。第4楽章は「悲愴」を通り過ぎて「慟哭」になっていた。新日本フィルは荒削りのオケだが、迫力は十分だった。

共通テーマ:音楽