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ジョナサン・ノット=東響 第九演奏会 [音楽]

2021/12/28 18:30~ サントリー・ホールで、ジョナサン・ノット=東京交響楽団の「合唱」をきく。

独唱は、甲斐栄次郎(バリトン)、小原啓楼(テノール)、金子美香(メゾ・ソプラノ)、盛田麻央(ソプラノ)で、合唱は新国立劇場合唱団。コロナ禍で合唱は80人以内で、距離を置くという要請が出されていたらしい。従って、アマチュアの合唱団は無理で、プロの出番だった。

合唱団は60人で、ステージの背後の座席に座った。先日のBCJの演奏会は30人で十分だったから60人なら万全かと思ったが、合唱の声が頭上を通り抜ける感じがした。1階の中央の座席できたいのだが、2階の方が良かったかもしれない。

ジョナサン・ノット=東響の演奏は、滑らかで、音が練れていたこと、アンサンブルが美しかったことは評価できる。

ただ、毒気がなさすぎ、あとに残るものがない。蒸留水のような演奏だった。ホールを出ると、もう、熱っぽさがなくなってしまった。

最後の「蛍の光」は何かしら、目頭が熱くなった。今年もどうやら生き延びたと感じたから。来年は難しい…。

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鈴木雅明=BCJ 第九演奏会 [音楽]

2021/12/16 19:00~ 東京オペラシティ・コンサートホールで、鈴木雅明=バッハ・コレギウム・ジャパンの「合唱」を聞く。ソプラノは中江早希、アルトは藤木大地、テノールは宮里直樹、バスは大西宇宙。

オペラシティのクリスマスツリー。昨年も見たはず。昨年はオペラハウスでバレエ「くるみ割り人形」を見たのだった。その時は、来年はどうかと危ぶんだが、どうにかこうにか、今年も生き延びることができた。またまた、来年はどうか?と思う。そういう歳になった。

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コンサートホールにもクリスマスツリーのオブジェが飾られていた。

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12月は「合唱」の月だが、ピリオド系の「合唱」を聞くのは初めてだった。出だしが頼りなくて、どうなるかと思ったが、数分で耳が慣れた。

第2楽章が秀逸で、これほどリズミカルな演奏を聴いたことがない。心配した第3楽章もスイスイと演奏し終えた。

第4楽章は、合唱が30人だったが、人数はこれで不足感がない。ソリストは、第4楽章の途中から舞台に登場した。バスの大西宇宙は歌いながら舞台の中央まで歩いたが、これはよかった。声も迫力十分だった。

「合唱」といえば、なんといってもフルトヴェングラーの指揮するものが一番だが、ロマン的情感を取り除くと、この曲はどういう曲になるのだろうか?

この鈴木雅明の指揮を聴くと、「合唱」は行進曲のようである。確かにこの曲にはそういう要素がある。結局、大行進曲を聴いたような感動を覚えた。これは珍しい経験といわなければならない。

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久石譲=新日フィル演奏会 [音楽]

2021/09/12 14:00~ サントリーホール。

コンサート通いは中断していたが、いつまで聞きに行けるか、分からない。コンサートへ行けないような土地に引っ越す可能性がある。今のうちにせっせと行っておこうと思う。もっとも体力の余力次第だが。

久しぶりのサントリーホールだった。緊急事態宣言下で、周辺では営業していない店も目立つ。

久石譲=新日本フィルの演奏会に出かけたのは、マーラーの交響曲第1番が演奏されるからだった。第4楽所の終結部はレコードではとらえきれない。超高級の再生装置と専用のリスニングルームがあれば、なんとかなるかもしれないが、一般の家では無理である。

サントリーホールの客席は寂しかった。空席の方が目立った。しかし、私が座った席が2階の中央だったためか、両隣に人がいて密状態だった。

プログラムは、①久石譲の交響曲第3番と②マーラーの交響曲第1番だった。

久石譲はアニメ映画の作曲家というイメージが強く、指揮ぶりに興味があった。教科書的な振り方だった。

最初の久石譲の交響曲は、不愉快な響きはなかったが、結構うるさく聞こえた。3楽章で構成され、、聞いた感じはストラヴィンスキーのバレエ音楽のようだった。音響空間は形成されたが、ストーリーがない。印象に残らない。新日本フィルの響きも粗く、熟れていない。これはあとのマーラーでも同じだった。これでは、金を払ってコンサートへ行く甲斐がない。
タグ:マーラー

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神奈川フィル 茅ヶ崎公演 [音楽]

2020年8月30日。神奈川フィルの茅ヶ崎公演を聴く。

神奈川フィルは、今年、創立50周年で、県内各地で巡回公演を行っている。

8月30日は、危険な暑さの日で、茅ヶ崎駅に降り立ったときは頭がクラクラした。

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公演は、茅ヶ崎文化会館で行われた。

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楽団員は通常の配置で演奏した。

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客席は1人で2座席だったが、結構混んでいたから、コロナのこの状況下では成功だったと思う。

指揮は、上野正博。

プログラムは、最初がロッシーニの「泥棒かささぎ」序曲。まぁ、快調な出来映え。次がメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」より4曲、序曲、スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲。季節ものの選曲だが、少々音がばらけていた。

最後は、ベートーヴェンの第7番で、どうなるかと心配したが、スイスイと演奏した。演奏し慣れているように思える出来映え。上野正博の指揮もまっとうだった。

このコロナ禍で神奈川フィルの行く末をおもう。何しろ、滑り込みでやっと公益法人になれたぐらいで、財務基盤は良好とは云えない。

と思っていたら、2022年から、沼尻竜典が音楽監督に就任するというニュースに接した。

今年の秋は、50周年記念でマーラーの「千人の交響曲」の演奏を予定していたが、現下の状況では無理である。マーラーの第5交響曲に切り替わった。「千人の交響曲」は来年以降にお預けである。




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読響サマーフェスティバル 三大交響曲 [音楽]

2020年8月19日。18時半~。サントリーホールで。

角田綱亮指揮の読売交響楽団。曲目は、「未完成」「運命」「新世界から」の3曲。

オケの配置は、管楽器は距離を置いていた。皆、マスク姿で搭乗したが、演奏の時には外していた。客席は2席に1人。チケット完売とはならなかったので、空席部分もあったが、寂しくはなかった。

角田綱亮は以前に聴いたことがあるが、四角四面な演奏をする人だったという記憶しかない。「新世界より」が一番いいかなぁと予想を立てていた。

結論を言うと、真夏の快演である。元気を貰いました。

「未完成」からして、オケはフル活動で、大交響曲の趣。これ、きちんと完成していたら、「グレート」のような曲になったのではないだろうか。未完成=ロマンティックという先入観を取り除くべきかもしれない。読響の管の優秀さを感じた。

「運命」も「新世界より」も読響の音の饗宴に圧倒された。角田綱亮の指揮もこじんまりとまとめるというところがなかった。

外面的すぎるという批判はあるだろうが、この猛暑、コロナ禍中の演奏会である。こういう演奏が適している。

最適な演奏スタイルも、その時の置かれた状況によって異なる。

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コロナ禍中の演奏会 [音楽]

コロナ禍中の演奏会へ出かける。

8月6日。川崎ミューザで神奈川フィルの演奏会を聴く。

指揮は、渡邊一正。

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プログラムは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3つ。

①第1番 (ピアノ:黒木雪音)

②第4番 (ピアノ:阪田知樹)

③第5番 (ピアノ:清水和音)

コロナ禍中の演奏会はどんなものか?という好奇心で出かけたものである。入口でアルコール消毒、チケットは半券は自分で切り取る。ドアは係員が開ける。係員もマスク姿なのはもちろん、フェースガードをしている者もいた。帰りは、集中しないように時間差の退場だった。 

チケット枚数は600枚限定。空席もあったので400人ぐらい。ホール内はバラバラ、スキスキ。気が抜けてしまう。ステージはオケの団員は間隔を開けず、通常通りの配置だった。45人ぐらいの編成。

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客席の様子には戸惑うが、演奏が始まれば、そういう戸惑いはなくなった。

オケは、1番の出だしは頼りなかったが、徐々に通常に戻る。もちろん、非力なところもあった。

1番の黒木雪音は目一杯、第4番の阪田知樹は熱演、第5番の清水和音は余裕綽々。客にアピールするには、余裕が必要だということに気付いた演奏会だった。

この演奏会の模様は、1000円でネットで聞くことが出来る。




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川崎ミューザ 「グレの歌」(シェーンベルク) [音楽]

10月5日。川崎ミューザでシェーンベルクの「グレの歌」をきく。総勢400人が必要ということで、滅多に演奏される曲ではないが、川崎ミューザのオープン15周年記念ということだった。

(管弦楽)東京交響楽団 (指揮)ジョナサン・ノット (ヴァルデマール)トルステン・ケール
(トーヴェ)ドロテア・レシュマン (山鳩)オッカ・フォン・デア・ダムラウ (農夫)アルベルト・ドーメン (道化師クラウス) ノルベルト・エルンスト (語り)サー・トーマス・アレン
(合唱)東響コーラス (合唱指揮)冨平恭平

全3部だが、第1部が終わったあとに休憩があった。

最後は、管弦楽と合唱の壮麗な絵巻で、感激すること間違いなし。分けが分からなかったけど(笑)。シェーンベルクも当時はマトモだったらしい。今年の8月に「管弦楽のための変奏曲」をきいて、大頭痛にかかったが、なんでヘンな曲を作曲するようになったんだろうか?

「グレの歌」は曲はマトモだが、歌詞がマトモでない。歌詞をDLして一読したが、意味が分からなかった。粗筋を参照して、どうにか、第一部、第二部は理解できた。第三部も数回読むうちにおおかた分かるようになったが、最後の「語り」の部分が理解できない。

「語り」を歌ったのは、トーマス・アレンだが、「音楽の友」のインタビューで、「グレの歌」は不思議な曲で(「語り」の部分のこと。)、解釈は指揮者のジョナサン・ノットと打ち合わせるといっていた。どういう解釈になったのか、ワカリマセン。

演奏は、管弦楽の編成が巨大すぎて、歌手が可哀相。とくにトルステン・ケールの声は管弦楽に潰されてしまった。ドロテア・レシュマンのトーヴェも同じだ。ときおり声を張り上げたが、ヒステリックに聞こえた。

もっとも私の聴覚も衰えているので、他の人にどう聞こえたかは分からない。高音が聞きづらくなっている。声が低い、オッカ・フォン・デア・ダムラウ、アルベルト・ドーメン、ノルベルト、エルンストは安定して聞こえた。一番良かったのは、トーマス・アレンだった。歌詞はチンプンカンプンだったが。

「グレの歌」の内容は、王が娘に恋をし、娘は王妃に殺される。王は神を呪う。王は、当然のことながら死に、死霊となってさまよう。ここまでは分かる。

デンマークの伝説に基づいているが、伝説では娘の愛で王は救済されるらしい。この救済の部分がわからない。「語り」でそこまで暗示しているのかどうか。そう言われれば、そう思えなくもない(笑)。

ジョナサン・ノットの指揮は、管弦楽と歌手のバランスに難があった。ラストは壮大にまとめあげられていた。見違えるような盛り上がりで、これも不思議な気がした。
タグ:グレの歌
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青春18切符の旅 磐越東線 [音楽]

青春18切符の旅の始まり。

いわき駅から磐越東線で郡山駅に向う。8時41分発の電車に乗る。いわき駅から郡山駅へ行く電車は一日五本しかない。

6時44分発は早すぎる。8時41分に乗り遅れると、次は13時13分発になってしまう。8時41分発に乗るしかなかった。

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いわき駅。

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車内。最初は空いていたので、このままだと思ったら、途中から混み出した。谷越えすると、狭い盆地地帯を走り、乗客が多くなった。

車内。

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神奈川フィル フレッシュコンサート [音楽]

3月10日。みなとみらいホールで、神奈川フィルのフレッシュコンサートを聴く。最近は、コンサートも体力的にきつくなった。ホールまで行くのもキツいが、それよりもいけないのは、聴いている最中に体調がおかしくなることだ。何度か経験すると、コンサートへ行くのは諦めようという気になる。

それが何故か、突然、コンサートへ行きたくなったのだから、自分でも分からない。みなとみらいホールへ出かけたのは、一番近いからである。しかも当日券が必ずあるコンサートだからである。新人独奏者応援コンサートのようなもので、こういうものは満席にならない。

みなとみらいホールならなおさらだ。川崎ミューザもみなとみらいホールも客足の鈍いホールである。有名外国オケでも空席が目立つ。

今日は寒かったが、ホールの中も寒かった。客席は1階のみ収容で、しかもその半分ぐらい。空調が効きすぎて寒かった。時々空調が効きすぎることがあると分かっていたので寒さ対策をしておいてよかった。

今日の神奈川フィルは、松尾葉子が指揮した。松尾洋子は写真とは印象が異なる。

①モーツァルト フルート協奏曲第1番 フルート:福島さゆり

テクニックがあり音はよく通ったが、プラスアルファがほしい。

②ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲 ピアノ:黒木雪音

有名な第18変奏曲しか聴いたことがない。24の変奏曲があると知り、長そうだと思ったが、案外と短く、第18変奏曲にたどり着いた。最後は、ラフマニノフ的超絶技巧で華やかに終わった。指が華やかに動いていたが、音が浅く、これがラフマニノフの音かという物足りなさは残った。

③ヒューブラー 4本のホルンとオーケストラのための協奏的作品 ホルンは、豊田美加、坂東油裕香、田中みどり、熊井優。神奈川フィルのメンバーである。

名前を知らない作曲家(1822年~93年)で、どうかと思ったが、古典的・ロマン的作品で、抵抗なく聴くことができた。演奏の可否は分からない。楽しめたのだから上手だったのだろう…。

④メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリン:滝千春

この人の演奏が一番年季が入っていた?と思う。冒頭から、聴かせてくれました。オケが剛直すぎたのが難点。

神奈川フィルは、モーツァルト、メンデルスゾーンは問題なく、ラフマニノフになると、フォルテが汚れ気味。東京に隣接している横浜が地元というので損をしている。東京のオケに隠されてしまっている。


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マリインスキー・バレエ「ドン・キホーテ」 [音楽]

2018/11/28 東京文化会館で。18時半~21時20分。

バレエを見るなら、ロマンティックなものは「白鳥の湖」、快活なものは「ドン・キホーテ」と決めている。

マリインスキー・バレエ団の「ドン・キホーテ」は役者の格が違うというのか、横綱級のバレエ公演だった。最後は場内興奮の渦だった。

動きが速くて、力強い。ダイナミックに見える。書道で言えば、トメとハネがぴたっと決まっている。なかなかこうはいかない。

これじゃ、他のバレエ団が可哀相だ。

キトリ:ヴィクトリア・テリョーシキナ
バジル:キミン・キム

他のダンサーも素晴らしかった。第2幕のキューピッド役で永久メイが踊っていた。キューピッドにピッタリの体型だったね。

キミン・キムの跳躍には驚かされた。第3幕は派手に飛び回っていた。

指揮:アレクセイ・レプニコフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

前日に新国立劇場で東フィルの演奏(伴奏?)を聴いている。どう違うのかと聞き比べたが、東フィルは音が揃いすぎて痩せている。日本のオケの欠点なのだろうが、これは国民性もあるから克服するのは難しい。


今年一番の公演は、コレということにしよう。
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