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「この厄介な国 中国」より ② [本]

岡田英弘の「この厄介な国 中国」は面白い。26年前の本だが、その後の展開を見ると、腑に落ちることが多い。

香港返還時に、一国二制度が維持されると思った香港人はほとんどいなかった。

その後、香港はどうなると考えていたのか。

岡田英弘は、香港は上海と同じになると述べている。

1949年、上海を制圧した中国共産党は、上海の経済権益をすべて保護すると約束した。その約束は10年で反故になり、上海は共産党中央幹部の利権となった。

そういえば、先般亡くなった江沢民は、上海閥のボスだったね。

…ということで、香港も同じになるだろう。

「繁栄している企業には、軍や政府要人たちの親類縁者が食い込んで、食い荒らしていく。…合弁企業を沢山つくらせ、香港人・外国人を働かせ稼がせ、儲かったら、税金を重くして吸い上げ、儲からなくなったら没収する。この仕組みは中国人のもっとも得意とするところである。」

これは香港の場合ばかりではない。中国に進出した日本企業も同じである。行く末がわかっていながら、なぜ日本企業は中国に進出したのだろう???

最後に岡田英弘は付け加える。

「中国においては、経済の近代化は発展を意味しない。…毛沢東時代よりも、中国本来の皇帝のありかたに戻る。」

これはズバリでしたね。習近平という新しい皇帝が生まれたからである。

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