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「科学者の道」(ウィリアム・ディターレ) [映画]

DVDで「科学者の道」を見る。ルイ・パストゥールの伝記映画だ。製作が1936年。監督がウィリアム・ディターレ、主演はポール・ムニ。

パストゥールの伝記映画だが、映画として面白くなるように脚色されている。1860年の産褥熱のエピソードから始める。

当時の医者の衛生観念は、今から見ると驚くべきもので、医療器具は使い回し、煮沸消毒もやらない。手も洗わない。これでは感染症で死ぬ者が続出しても当たり前だ。

パストゥールの敵対者となるシャーボネがいうように「ノミの1万分の1の大きさにすぎない生物が人間を殺すことはあり得ない。」と考えられていた。

時代は変り、衛生観念は格段に進歩した。医者ばかりではなく、普通の人間もアルコール消毒に余念のない昨今である。

映画は、1870年に飛んで炭疽菌のワクチンの発見。そして狂犬病ワクチンのエピソードを描く。パストゥールは化学者であって医者ではない。従って、医療行為を行うことは違法である。この相克が映画のクライマックスとなっている。

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