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「恐怖の報酬」(アンリ・ジョルジュ・クルーゾー) [映画]

1953年製作のフランス映画。監督は、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー。

のちにウィリアム・フリードキンがハリウッドでリメイクしたが、このクルーゾーの作品より落ちる。フリードキンがリメイクしたのは、当時、このクルーゾーのフィルムが散逸してしまっていたからだ。その後にフィルムが発見され、我々はこの心臓の悪くなるようなサスペンスを味わうことができるようになった。

2時間半のうち、前半の1時間は、中南米の田舎町にたむろする祖国を失った者たちの空虚な生活を描く。これを描かないと、後半のニトロを運ぶ命がけの行為の説明がつかない。

ニトロはチョットした衝撃で爆発する。

ニトロを運ぶ恐怖は、4つの危機からなる。

①波形トタンの道を高速で突っ走ること。

②山道の曲り角を腐った橋を利用してカーブを切らなければならないこと。

③巨石が道を塞いでいるのをニトロで爆破すること。

④先導車が爆発事故を起こしたの油溜まりを通過すること。

この最後の危機を乗り越えた後、石油基地に行くまでの描写が長く、その間、シャルル・ヴァネルの扮する老親分が内臓破裂で衰弱死していく。この描写が克明である。

最後の恐怖の「報酬」はオチが過ぎると思う。
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