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2016年4月26日 東京芸術劇場 [雑感]

池袋。4月26日。東京芸術劇場で「イブリー・ギトリスの世界」を聞く。

芸劇の前はテントが並んでいた。古本市が開かれていた。古本を買いたくなる。買うのは簡単だが、だいたい読まない。読めるかどうかを考えると、購買意欲はなくなる。

19時から芸劇で演奏会があった。

もとはイヴリー・ギトリスの演奏会だった。ギトリスは主観的というか風変わりな演奏家というイメージがあり、年齢も90歳である。90歳になってヴァイオリンが弾けるのかという疑問もある。この演奏会は視野にはなかった。

しかし、ギトリスは体調を崩して来日せず、急遽、神尾真由子が代役として登場、曲目は18番のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲である。かかりつけの鍼灸師の先生に是非行くようにと奨められた。
ということで慌てて切符を買った。座席表を見ると、空席ばかりが目立っていた。

ギトリスのフアンは神尾に関心がなく、神尾のフアンは急な代役で演奏会があることを知らなかったのだろう。こういう演奏会は難しい。私は3階席で聞いたが、3階には聴衆はほとんどいず、空席だらけだった。


指揮は、ニコライ・ジャジューラ。知らない指揮者である。キエフ生まれとあるから、ウクライナ人なのだろう。管弦楽は東京交響楽団。

①チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「行進曲」「こんぺい糖の踊り」「あし笛の踊り」「花のワルツ」 きちんと手堅くまとめられた演奏だった。特色がないと云えばその通り。

②チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 独奏:神尾真由子 お目当ての演奏だった。熱演と云うべきなのだろうか。こちらは第1楽章のカデンツァで草臥れてしまって、第2,第3楽章は音が耳を通り過ぎただけ。演奏を聴くにもスタミナが要る。

③ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」。 名曲中の名曲で食傷気味のはずだが、改めて素晴らしい曲だと知る。 ジャジューラの指揮は手堅く、東響も手堅い。標準的な演奏というしかない。今では交響楽団の技量も指揮も標準化されてきているようだ。ある一定の範囲に収まり、はみ出ることがない。東響はN饗に比べればボリューム感が不足するが、不満に思うということはなかった。

(アンコール)アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」の管弦楽演奏。アンコールとしては不思議な選曲だったと思う。この曲は歌詞を変えて「ダニーボーイ」としてよく知られている。

体調を崩して来日できなかったイブリー・ギトリスをしのぶ意味があったのだろうか。あるいは、熊本地震の犠牲者を追悼する意味があったのだろうか?

芸劇を出たのが21時15分。劇場前の広場は、路上生活者が早くも横になっていた。格差を感じた。


タグ:神尾真由子
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