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2016年4月23日 渋谷 [雑感]

2016年4月23日。渋谷。

東横線のホームから地上に出るのに迷う。23日の日経に迷路のレジャー施設が紹介されていたが、自分なら東横線の渋谷ホームを推薦したい。ひねくれ者が設計したに違いない。あるいは、設計ばかりに頭がいって、乗客の動線に無関心だった者が考え出したのだろう。短期間に工事が終わるならともかく、数年単位なのだから、もっと乗客のことを考慮すべきだった。山手線に乗り換える時は、目黒乗り換え、恵比寿乗り換えにする人が多いのも肯ける。

渋谷駅で迷子になった末にともかく上に出ようということで長い階段を上がったが、昔の東映劇場があった前に出た。道路は人、人、人。異様な混雑だった。これが代々木公園まで続いた。

代々木公園は、アースデーということでテントが張り巡らされていて、通り抜けるのも容易ではない。アースデーとは何ぞや? たぶん地球環境保護のことなのだろう。「環境」は大商品になった。環境保護というと反論しにくいし、容易に騙せる。こういうことは、自分は疑うことにしている。現在では、環境、福祉、健康が三大商品である。

NHKホールに入る。いつものように一番安い席で、5階の最後列に座る。NHK交響楽団の定期演奏会で、指揮はレナード・スラットキン。アメリカの指揮者である。セントルイス交響楽団をトップクラスにオケにしたことでネームバリューが上がった。

開演時間15時。オーケストラの団員が入場する。ところが、いつの間にかスラットキンもステージに出てきていて、指揮台に上がる。熊本地震の犠牲者を追悼するため、バッハの「(G線上の「アリア」)を指揮した。拍手はしないで、とあらかじめ告げられていた。スラットキンはステージから一度去り、再び登場する。拍手で迎える。演奏会の始まりである。

①ベルリオーズ 歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲。知らない曲。

②武満徹 系図(ファミリー・トゥリー)-若い人たちのための音楽詩。 今年は武満徹没後20年なので、武満作品が演奏される機会が多い。谷川俊太郎の詩集「はだか」から選んだ詩に音楽を付けた。語りがあり、ナレーターは山口まゆ。席のせいか、語りの内容がほとんど聞き取れなかった。武満の音楽は情感豊かだったが静かすぎる。

③後半。ブラームスの第1交響曲。今年になってコンサート通いを始めたが、なぜか、ブラームスの交響曲ばかり聞いている感がある。今日の第1番で全曲聞いたことになる。1番が1回、2番が2回、3番が1回、4番が1回。ブラームスのどこがいい?と聞きたいところだ。ベートーヴェンは1回しか聞いていないし(第7番)、モーツァルトも1回(第35番)。あとは、ブルックナーとマーラーが各1回(両者とも第5番)。

ブラームスの第1交響曲は、序奏から力こぶが入っていて、聞きようによっては押しつけがましく思える。ブラームス嫌いはここでイヤになる。スラットキンの指揮は柔らかめで聞きやすかった。全体、スラットキンの演奏は1960年代に活躍したオーマンディ流で、美しく快く響かせることを目指しているようだ。クラシック通の友人に言わせると、スラットキンは凡庸であるという。特徴がないというのか、抉るようなところがない。
私は快く音楽を聞かせてくれればそれでOKだ。精神性云々などということは求めない。自分の心の限界を知れば、分からないものは分からない。若いときはそれを言えなかったが、今は言える。高齢になれば、聴覚は衰える。若いときは気持ちのいい音も不愉快に聞こえるようになる。快く響く演奏は貴重である。
第4楽章のコーダは凄まじく、N響の実力を見せつけた。特にティンパニと金管は剥き出しの音で吼えまくり、興奮の坩堝と化した。終わりよければ全て良し、である。拍手大喝采。



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