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DVD「ミスティック・リバー」(クリント・イーストウッド) [映画]

DVDで「ミスティック・リバー」(クリント・イーストウッド)を見る。2003年の作品。もう11年前になるのか。キネ旬でベスト1に選ばれた。

この映画を見たとき、暗いだけでどこがいいのか、全然分からなかった。失望した。

「ミリオンダラー・ベビー」以来、イーストウッドの監督作品に注目するようになったので、ようやく再挑戦した。

今回は,良さが分かった。前回、なぜ分からなかったのか、それが不思議だ。体調でも悪かったのか。映画はその点、何度でも繰り返して見ることができる点、便利だ。

逆に失望する場合もある。感動した映画を再度見て、なぜ感動したのかが理解できないときもある。映画は変わらないのだから、私が変わったのだ。

「ミスティック・リバー」はミステリ映画の手法を採っている。基本は、犯人は誰か?ということである。こういう映画の例にもれず、大逆転劇がある。

それにしても、この映画から受ける印象は,第一に「運命劇」ということだ。人間の持つ運命について考えさせられる。

宿命とか運命とか,こういう言葉は現代では排除される。我々は自覚の有無にかかわらず、人間の能力に信頼を置いている。人間の能力について楽観的である。

そうでなければ、「自己啓発」など無意味である。その結果としての「自己責任」も無意味である。

新聞の本の広告を見れば、我々がいかに人間の能力について楽観的であるか、よくわかる。能力開発の本が多数発刊されているのを知る。需要があるからである。

しかし、それが全部錯覚であるとしたら…。

すべて、運命のせいだとしたら…。

「ミスティック・リバー」を見ると、どうにもならないこともある、と思う。

この映画のそもそもの始まりは、子供のイタズラである。なんにも問題にならないはずのイタズラである。それが枝葉を拡げ、悲劇に向かう。

どこでこの映画が終わるのかと思う。パレードの場面で終わるが、その意味は今でも分からない。アメリカ人なら、理解できるのかも知れない。

ショーン・ペンが誤った殺人をしたあと、妻のローラ・リニーが、あなたはステキだ、と励ます場面には驚きもし、女の強さを感じた。

日本のドラマでは、まず思いつかないセリフだった。

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