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DVD「ベルリン陥落」 [雑感]

1949年製作、ソ連のカラー映画。スターリンを神格化して描いたとして、スターリン批判以後しばらく公開されなかったそうだ。ということで、逆に野次馬根性が出て、どんな映画かと2時間半鑑賞した。

独ソ戦の開始から、題名通りのベルリン陥落までを描いているが、ストーリーの展開を理解するのには苦労した。ある程度、第二次世界大戦における独ソ戦の知識が必要だ。

プロパガンダ映画であり、プロパガンダ映画の常として、時代が変遷すれば、つまらなくないものになる。こういう映画が製作されたという文献的価値・資料的価値はあるけれども。

スターリン、ヒトラーはもとより、他の登場人物も多分ソックリさんであると思うが、当時の政治家や軍人の容貌を知らないので判断はできない。

スターリンは悠然として有能な指揮官であり続け、ヒトラーはやたらに興奮して動きまわり喋りまくり戯画化されて描かれている。

実際はどうだったのか。スターリンはヒトラーが攻撃してくるとは思っていなかった。なぜそう思ったのかは解明されていないが、ソ連軍は油断していた。それがドイツ軍の侵攻を早めた。おまけに1937年に赤軍の大粛清があって、ソ連軍の有能な司令官・指揮官の7割が殺されていた。未熟な軍人しかいなかった。これでは攻め込まれても仕方ない。

ベルリンを陥落させたが、第一線に投入したのは囚人部隊で、軍規も何もあったものではなく、暴行・略奪がすさまじかった。その様子は本として出版されていて読むことが出来る。

この映画のラスト近く、ベルリンの国会議事堂にソ連旗をはためかせるが、「硫黄島の星条旗」と同じである。

ソ連各地からやってきた兵士が「ウクライナから来た」というように次々と出身地をいう場面は、皮肉なことにナチスの宣伝映画「意志の勝利」の模倣である。

この映画を見て、独ソ戦の戦史を読みたくなった。我々は西側の映画から情報を得ているので、ノルマンディーとかアルデンヌの戦いとか英米仏とドイツの戦いについては詳しいが、独ソ戦となると、スターリングラードの戦い、レニングラードの攻防戦ぐらいしか知らない。

しかし、ドイツの主敵はソ連で、東部戦線こそが第一戦線であったことはまちがいない。
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