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1990年 [雑感]

1990年に何があったか。東京株式市場は下落に転じた。バブルの崩壊の始まりだが、バブル崩壊と分かったのは数年後のことだった。

なぜ今、1990年か。

引っ越ししようかと想い、部屋の整理をしていたら、1990年の日誌が出てきたのだ。こういうものがあることを忘れていた。30年前のことだ。

ああ、そうだったかと思うこともある。

そのまま書き写す。注釈を入れなければ分からないところは注を入れる。

「正月に相応しいのは今後の予測だ。しかし、今までの延長線上で今後を考えることができないのは事実だ。東欧情勢はともかく、アジアにとって気掛りは中国だ。これについての予測は非常に困難だ。」

(注: 1989年から東欧の脱ソ連化が始まっていた。1989年9月にポーランド、12月にチェコスロバキアで非共産党政権が誕生した。1989年11月にはベルリンの壁が崩壊した。中国については、1989円4月に天安門事件を起こし、欧米から経済制裁を受けていた。日本も同調して円借款の供与を停止していた。)

「日本の銀行は対中融資を再開するらしい。天安門事件以後の経済制裁の恐ろしさを中国首脳部も身に沁みて感じただろう。このへんで制裁緩和となるかどうか。
 アメリカはすでに軍事援助を再開しているらしい。アメリカの中国に対する思い入れは根深いものがある。中国が弱体化すれば、アジアにおける日本の存在感は圧倒的になりすぎてバランスを崩す。アメリカとしては、日本を牽制する勢力が必要だ。これが民主化要求を弾圧した中国政府を援助する理由だ。アメリカは理想を追求するが、一方では自国の安全を何よりも重視する。」

(注:30年前は、アジアでは日本が圧倒的なプレゼンスを持っていた。今では、これが逆なり、中国のプレゼンスが圧倒的になった。30年の変化は激しい。
 日本は欧米に同調して円借款の供与を停止したが、すぐに円借款再開を検討したことが分かっている。1991年に当時の海部首相が訪中し、翌年の1992年には天皇皇后両陛下が訪中した。中国は国際社会に完全に復帰した。)
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