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3月4日 びわ湖ホール「ワルキューレ」 [音楽]

3月4日。14時~19時。びわ湖ホールで「ワルキューレ」(ワーグナー)を見る。

前日の3月3日は外国人歌手も歌っていたが、4日は日本人歌手ばかりで、純国産?のワーグナー公演だった。

指揮:沼尻竜典
管弦楽:京都市交響楽団
演出:ミヒャエル・ハンペ

ジークムント:望月哲也
ジークリンデ:田崎尚美
フンディング:山下浩司
ヴォータン:青山貴
ブリュンヒルデ:池田香織
フリッカ:中島郁子

(ワルキューレの娘たちは省略。)

ミヒャエル・ハンペの演出は分かりやすい。高齢になると、わかりにくい演出は嫌われる。演出家としては新規なものをやりたいのは分かるが、オペラの観客は高齢者が多いのだから、あんまり尖った演出は控えるべきだ。演出家と観客の間にすれ違いが起きる。

第2幕の後半と第3幕は荒涼たる風景で、昔の西部劇を思い出したね。

「リング」を19世紀のSFファンタジーと考えれば、スペース・オペラに置き換えられないかと考えたことがある。

「ワルキューレ」はとてつもないオペラだと思うが、登場人物の少なさといい、内容といい、実質的には濃密な室内劇である。オペラを見ている最中は、そういうことは感じないが。

演奏は素晴らしかった。日本人歌手の水準を信頼している。欧米の巨体歌手の声量に比べれば落ちるかもしれないが、そういう歌手は世界を探しても何十人といるわけではない。

第1幕は、なじめない始まりだったが、これは私のせい。ドラマに溶け込むのに時間がかかる。第1幕のジークムントとジークリンデの二重唱から完全に舞台に魅せられるようになった。望月哲也と田崎尚美の歌唱も抜群だった。沼尻竜典の指揮も流れを重視したものだ。京都市響がきちんとフォローできたかどうかは疑問が残る。

第2幕は、アタマが痛くなっておしまい。筋を理解するのに骨が折れる。ヴォータンの長講釈に付いていくのはツラい。

第3幕は、最後の「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」は感動的だった。4分の3ぐらい、涙腺が開いた。ヴォータン(青山貴)ブリュンヒルデ(池田香織)ともに良かった。

長い拍手をしたかったが、19時終了で、帰りの電車が京都発20時52分だったから、早々に切り上げる。臨時バスで大津駅に出て、京都駅に着いたのが19時半。横浜の自宅には真夜中に着いた。





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