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新国立劇場「ホフマン物語」 [音楽]

3月6日。14時~17時40分。新国立劇場でオッフェンバックの「ホフマン物語」を見る。

指揮:セバスティアン・ルラン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
演出:フィリップ・アルロー

ホフマン:ディミトリー・コルチャック
ニクラウス:レナ・ベルキナ
リンドルフ:トマス・コニエチュニー
オリンピア:安井陽子
アントニア:砂川涼子
ジュリエッタ:横山恵子

ラスト、ホフマンはピストル自殺し横たわったままで終わる。普通、ホフマンは詩人の魂を甦らせるという結末の筈だが。いつ、ホフマンが起き上がるのかと期待?したが、そのままカーテンが下りてしまった。オペラは、ホフマンを除いた全員の合唱で盛り上げて終わった。オペラらしい感動的な終わりだった。

あらかじめ、DVDでコヴェント・ガーデン上演の録画を見ておいたが、魅力的なオペラとは思えなかった。しかし、実際に舞台を見ると、第1幕から面白く、人気オペラであるのもうなずける。

コヴェント・ガーデン盤とは異なり、オリンピア(自動機械人形)→アントニア(病んだ娘)→ジュリエッタ(娼婦)の順に登場する。ジュリエッタを最後に持っていった方が「ホフマンの舟歌」を堪能できるので据わりがいい。終幕のエピローグの前の舞台転換の間は「ホフマンの舟歌」を演奏していた。

指揮者のセバスティアン・ルランについては何も知らない。この公演を聞いた限りでは、才能がある。きっちりと曲を構成していくタイプの指揮者だろう。統率力がある。東フィルも気合いが入ったのか、いい音を出していた。

歌手については、日本人歌手の能力を信頼している。ホフマン(ディミトリー・コルチャック)にせよ、ニクラウス(レナ・ベルキナ)にせよ、日本人歌手が歌っても遜色ないと思う。

しかし、リンドルフ(他にコッペリウス、ミラクル博士、タベルトゥットと変身する。)を歌ったトマス・コニエチュニーについては日本人歌手には置き換え不可能だろう。アクが強く、憎たらしい。こういう歌い方の出来る歌手は思い浮かばない。

演出は抽象的だが、歌手の邪魔をしていない。装置、衣装は、前回の新国立劇場のものと同じだろう。前回の公演の写真を見たが同じである。

あまり期待していなかったが、予想以上の出来映えだった。


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