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1月27日 藤原歌劇団「ナヴァラの娘」「道化師」 [雑感]

今年はオペラとバレエに見ようかと思っている。目が楽しめるだけ、オケ・楽器だけの演奏会よりも楽だ。

1月27日。14時から東京文化会館で。短めのオペラが二つ。上演したのはマスネ作の「ナヴァラの娘」とレオンカヴァッロ昨の「道化師」である。「道化師」と「カヴァレリア・ルスティカーナ」の組合せが普通だが、趣向を変えて「ナヴァラの娘」としたものらしい。

「ナヴァラの娘」はマスネの作品で、日本初演ということだ。約50分だから、小品である。初めてきいたが、旋律は親しみやすく、今まで上演されなかったのが不思議である。

ネオ・リアリスモの作品になるのだろうか。舞台が戦場であるのが生々しい。まったく華やかさがない。衣装も燻っていたし、装置もメカ的だった。

最後は、ヒロインは気が狂って「ハ、ハ、ハ」で終わる。これなら「ヴォツェック」風に作曲するのが似合いだが、初演が1894年ではまだ後期ロマン派の時代だ。

演奏は優れていた。柴田真郁指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。

アラギル:小山陽二郞
アニ田:小林厚子

藤原歌劇団とは懐かしいが、歌手の水準がどうかという問題がある。初めてきいたので心配したが、危惧は杞憂だった。日本人歌手の全体の水準が上がっていると思う。

「道化師」は有名な作品だが、これも初めて見たオペラである。話としては、「オテロ」タイプ。オテロは嫉妬のあまり妻を殺してしまうが、「道化師」では現実と道化芝居の区別がつかなくなって殺してしまう。

ネオ・リアリスモの作品と云うが、旋律はイタリア的で歌心に満ちている。感心して聞いた。

カニオ:笛田博昭
ネッダ:砂川涼子
トニオ:牧野正人
ペッペ:所谷直生
シルヴィオ:森口賢二

歌手は、男性陣については問題ない。朗々と声が響いていた。こういう歌唱を聴くと、なぜ新国立劇場のオペラ公演は外国人歌手を起用するのかと疑問に思う。

拍手喝采で終わったが、一般客がどれだけいるのかという疑問が起きる。業界関係者が多いのではないだろうか?