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ファビオ・ルイージ=読売日本交響楽団 特別演奏会 [音楽]

いよいよ秋の演奏会シーズンが始まる。

2017年8月25日。みなとみらいホールでファビオ・ルイージ=読響の演奏会を聴く。

平日の金曜日だが、15時開演だった。猛暑日で、こういうときはホールに出かけるのがしんどい。いつもは桜木町駅から歩くが、スタミナ温存のため?みなとみらい駅から歩いた。

プログラムは、リヒャルト・シュトラウスがメインだった。間にハイドンの交響曲を挟んだ。

①「ドン・ファン」
②ハイドン交響曲第83番「熊」
③「英雄の生涯」(ヴァイオリン独奏はコンサートマスターの長原幸太)

ハイドンの交響曲はメイン・プログラムになりにくいのか、「前座」として聴く機会が多い。今回は、ハイドンには気の毒だが、ちょっとした腹ごなしといったところか。

ハイドンのシンプルな編成でシンプル・優雅な曲と、リヒャルト・シュトラウスの大規模編成の複雑怪奇な曲を対比したものだろう。ハイドンはやはり眠たくなった…。

「英雄の生涯」は105人編成で、オケにとっても難曲らしいが、そういうことは感じさせなかった。大音響すさまじく、眠気を催す暇がない。うるさいとは聞こえなかったのはルイージの統率力が抜群だったからだろう。

イタリア人の指揮するリヒャルト・シュトラウスはどういうものかという好奇心があったが、結果は大正解で、ドイツ系の指揮者よりも聞きやすい。ネクラよりネアカの演奏がいい。

リヒャルト・シュトラウスを聴いて感動することは希だが、この演奏には痺れた。

終結部は初稿によっていて、消えるような終わり方だった。この方が余韻が残っていい。


ファビオ・ルイージのインタビュー記事があり、ここで世界のオーケストラの音が似通ってきたと指摘されて答えている。

理由は、グローバル化で、演奏家が他国で学ぶことが容易になったこと。演奏家の技術が高レベルになったこと。

……

音楽が標準化され普及したということだろう。こういう状況で個性を出すのは難しい。

東洋人の体格が向上したことで力強い音が出るようになった。また、欧米のオケでは男女同権というのか、女性奏者が増えたことで、やはり男だけのオケに比べればパワーが落ちたことも影響していると思う。

ならば、チケット代の安い方(つまり日本のオケ)を選ぶ方が合理的だ。ただ、欧米信仰がまだ残っているから、来日オケのチケットについ手が出てしまう。