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官能小説アンソロジー「ゆらめき」 [本]

風邪にまかせて?寝床で、徳間文庫の官能小説アンソロジー「ゆらめき」を読んだ。

「刻(とき)の誘惑」(藍川京)

まず学生時代の男女のセックスが描かれる。次いで、時が飛んで、20年後。女は学生時代の男と再会する。男は結婚し、子供がいる。家に帰る時間を気にしながらのセックスで、熟した女には物足りない。失望を感じて終わる。青春の思い出は消え去る。その後、付き合っていた官能小説作家を呼んで、セックスする。

著者の実生活を小説にした感がある。藍川京は、ホステスをしていたこともあるのだから、美貌とは云えなくても愛くるしい顔立ちである。「官能博覧会」では自分のヌードを披露している。サービス精神旺盛である。


「雪溶けの春」(霧原一輝)

大学三年生の主人公が、バイト先の旅館の女将にセックスの手ほどきを受ける。年上熟女もの。セックス描写も慣れたもので読みやすい。官能小説は、こうでなくては。



「虚蝉(うつせみ)の季節」(響由布子)

汚ギャルが女主人公。汚ギャルとは初めて聞く言葉だ。最底辺の女らしい。バッグ一つに全財産を詰めこんで、一夜の宿を求めて男と寝る。茶髪系のひどいメイクをしている。

私の世代だと、シンナー吸いながら春を売るフーテン娘という方がわかりやすい。昔っから、こういうタイプの女はいた。

こういう女を気まぐれから拾い上げたのが主人公のヘアーメイク・ディレクター。手を触れることもなく、普通の女に戻すべく磨き上げていく。

これは”ピグマリオン”趣味である。”マイ・フェア・レディ”です。男には、いい女に育て上げたいという欲望がある。

男は若年性の胃がんにかかっていることが判明して、突き動かされるように女を抱く。このセックス描写は、状況が状況だけに単純なセックスに終わらず、壮絶。


「大橋莊の女」(由布木皓人

定職もないフリーターばかりが住んでいるオンボロアパート。住人はみんな浮き世離れしている。著者は、職業転々のフリーターだったので、著者の実体験に基づいているのではないか。

ここに住民の一人が、琴を持ったものすごい美人を連れてきたことから、みんな壁に耳を当てて、その音を聞いて、妄想する。この小説では、直接的なセックス描写はない。物音から妄想するアレコレが描かれている。

ユーモラスで呑気であるが、官能小説という分類には入らないのではないか。


「いけない☆オトコの娘」(開田あや)

冒頭からセックスシーンだが、何の説明もないので、誰が何して何とやら?

結局、再読して理解した。冒頭は3Pを描いていたのだ…。主人公の一人は、女装少年で、これで話がややこしくなった。

登場人物は、女装少年の真琴とその恋人の麻由子、部屋の持ち主の悠子、真琴を女と思って恋した隆志。だから、4Pになるわけだ。

セックス描写の連続で、なかなか読ませる。

女性作家はオノマトペが得意なのか、描写もその連発だ。

「あんっ、あぁ、い、いい、そこ、そこがいい、イク、もうイッちゃう、あぁっ」
「あ~ッ、あッっ、いいイッ、イクウ~~ッ!」
「うぷっ!」

ひらがな、カタカナ、ひらがなの小文字、カタカナの小文字、どこがどう違うのか、理解できないところがいい。ソレらしい雰囲気が出てくるでしょ。

ワープロの変換が大変だ。


「ナイロンの夜」(館淳一)

館ワールドです。女装趣味少年をマンションのオーナーの妻が見つけ、奴隷として扱う。

この小説を読んで、、ネットに「エックス・チューブ」なるものがあることを知る。you yubeはたまに見ることがあるが、x tubeの存在は知らなかった。

検索すると、x tubeが出てきました。サイン・インはしなかった。あとでどうなるか、わからないから。自作自演のポルノエリアである。そんなに露出したいのか、と不思議である。

タグ:ゆらめき
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