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「秘本 緋の章」(祥伝社文庫) [本]

祥伝社文庫の官能アンソロジー。官能アンソロジーは,一篇が短くて読みやすい。適度に興奮する。


「CLSにうってつけの日」(草凪優)  CLSとはクンニのこと。女主人公が気位が高くて、クンニをはばかる。そういう女性に奉仕する青年の話。ミツグ君の話です。

「指」(藍川京)  冒頭で鎌倉の長谷観音が出てくる.長谷観音の境内の説明をしているが、記憶が抜け落ちていて、改めて鎌倉の観光案内を調べた。そういえば、最近、鎌倉を観光していないと気がついた。秋だ。行ってみるか。そちらの気をとられて、この小説の内容はどうでもよくなった。

セックス描写は上手。藍川京の小説に出てくる男の喋り方は一本調子で,どうも馴染めない。ラブホテルでのセックス描写はいい。

「死んで欲しいの」(安達瑶)  官能小説というより,セックス描写もある警察ものであり、これが官能小説というジャンルにはいるのかどうか。著者は,男と女の合作作家という。

「悲しき玩具」(橘眞児)  悲しき玩具とは,バイブのこと。愛用していたバイブが壊れ、その妖精という青年が現れるという、なんとも妙な小説。ファンタジーである。

 「勃ち上がれ、柏田」(八神淳一)  平凡な家族を持つサラリーマンが部下の女と関係を持つまで。おとなしいサラリーマンなので、中折れしそうになったり、官能小説の主人公としてはリアルである。部下の女の方が上手だ。

「奥様、セーラー服をどうぞ」(館淳一)  離婚寸前の妻が、高校時代のセーラー服を貸すことによって、プライヴェートAVに出演することになる。一般には発売も公開もされないプライヴェートAVの世界である。確かに自分好みのAVを作ってもらおうというお金持ちはかなりいるだろう。こういう世界がありそうだ、ということを知るだけでも面白い。館淳一の描写はアッサリしているように思えるが興奮する。

「トライアングル」(霧原一輝)  デザイナーと上司。ビジネスがらみのセックス戦で、純粋な官能小説としては楽しめない。余計な情報が入ってくるからだ。職場や仕事から逃れたくて、官能小説を読む人がほとんどだろうから、こういう設定はよろしくない。

「はつゆき」(睦月影郎)  大学受験を控えた受験生。童貞である。ということで、筆おろしもの。相手は隣の部屋の女性。睦月影郎のセックス描写は楽しく、手慣れている。童貞とは思えないテクニックぶりには呆れるばかりである。童貞坊やは緊張する。穴の位置も分からない。穴だとばかり思って入れようとしたらお尻の方で、娼婦にたしなめられたという笑い話をする同僚もいたことを思い出した。



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