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「カーネギー・ホール」(エドガー・G・ウルマー) [映画]

1947年製作。当時アメリカで活躍していたクラシック音楽家が多数出演している。

日本公開は1952年。当時の日本はまだSPレコードの時代だった。何枚ものSPレコードをひっくり返し、取り替えて、クラシック一曲を聴くのに手間がかかった。SP特有の針音も耳障りだった。

そういう時代にこの映画である。クラシック・フアンが熱中したのも無理はない。伝説的映画になった。

団塊の世代には懐かしいが、最近の若い人は,これをどう評価するだろうか?

今、これをDVDで見ると、音のレンジの狭さがやはり気になる。

あくまでクラシック音楽の演奏を楽しむべきで、映画のストーリーは二の次だ。クラシック音楽家に育てたい未亡人の母親と、ポピュラーに見せられる息子の葛藤がテーマだ。

最後に息子はシンフォニック・ジャズ風の「57番街のラプソディー」をカーネギー・ホールで演奏する。万事、目出度し、目出度し。

出演しているクラシック音楽を列挙しておく。

ブルーノ・ワルター(指揮)

リリー・ポンス(ソプラノ)

グレゴール・ピアティゴルスキー(チェロ)

リーゼ・スティーヴンス(メゾ・ソプラノ)

アルトゥール・ロジンスキー(指揮)

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

ジャン・ピアース(テノール)

エツィオ・ピンツァ(バス)

ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)、フリッツ・ライナー(指揮)

レオポルド・ストコフスキー(指揮)


指揮者のバトンの動きはのメリハリがあって、これは見栄えがよくなるように振っていたのかもしれない。映画を意識したのかもしれない。

フリッツ・ライナーの指揮も大きいが、晩年(1960年頃)は心臓がかばうためにほとんど指揮棒を動かさなかった。トライアングル程度の大きさで振っていた。眼力で指揮していた。それを覚えていたので、この映画の大きな指揮ぶりは意外だった。

アルトゥール・ルービンシュタインのピアノの弾き方には驚く。顔まで手を持ち上げてドンドンとピアノを弾く。手の動きが速すぎて、映画でもとらえきれていない。見世物的すぎて、日本では演奏の正当な評価が遅れたように思う。

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