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新国立劇場 「フィデリオ」 [音楽]

5月30日。新国立劇場でベートーヴェンの「フィデリオ」を見る。演出がカタリーナ・ワーグナーということで、トンデモ演出を見ても仕方ないとは思ったものの、運悪く?ヒマが出来たので見に行った次第。

第1幕、第2幕前半まではマトモ?だった。ところがフロレスタンが悪役のドン・ピツァロに刺されてしまうところから、ハテナ?、ハテナ?という展開になる。

まだフロレスタンが甦るのかと期待していたが、レオノーレまでドン・ピツァロに絞め殺されてしまう。「レオノーレ序曲第3番」の勇壮な音楽にのって絞殺シーンが展開するだから、これはひどすぎる。飯守泰次郎=東響の演奏か良かったからなおさら違和感が起きた。

これでは終幕の「万歳、この日この時」も「優しき妻を得た者は」もシラける一方で、まともに聞くのが耐えがたい。新国立劇場合唱団の優秀な歌唱も台無しだ。

念の入ったことには、釈放されるのが偽フロレスタン(その正体はドン・ピツァロ)と偽レオノーレである。なぜここまでやるのか?

トンデモ演出で、ブーイングしたかった。不愉快だったから、すぐ劇場を出た。

ブーイングしたい人は見に行け!

(追記)

ベートーヴェンはオペラはこの作品のみ。理由はいい台本がなかったからだと言っている。「台本は、道徳的で、人を高めるようなものでなくてはならないのです。」

この言葉を演出家に投げ返したい。

データ。

指揮:飯守泰次郎
管弦楽:東京交響楽団
演出:カタリーナ・ワーグナー

フロレスタン:ステファン・グールド
レオノーレ:リカルダ・メルベート
ドン・ピツァロ:ミヒャエル・クプファー=ラデッキー
ロッ個:妻屋秀和
マルツェリーネ:石橋栄美

合唱:新国立劇場合唱団



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