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12月28日 キエフ国立フィル 二つの「第9」 [音楽]

2017年12月28日、19時より。東京オペラシティ・コンサートHで。

二つの「第9」とは、

①ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」⇒新年向き
②ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」⇒年末向き

12月に2回、「合唱」を聞いている。もういいかと思っていたが、「新世界より」も演奏すると知り、食指が動いた。2曲で11000円(S席)はお得感がある。

指揮者は、ヴァハン・マルディロシアン
管弦楽は、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団

指揮者の名前が全然なじみがないのが躊躇した理由である。客席はほぼ埋まっていた。

「新世界より」は名演だった。失礼かもしれないが、これは意外だった。オケもバランスよく、底力を感じた。ティンパニは荒々しかった。ブリキ板をたたくような音がしたが、これが決まっていた。(「合唱」の時は通常のティンパニの音に戻していた。)

「合唱」は、第1楽章、フレーズを切るような演奏に違和感を覚えた。第2楽章はリズミカルで違和感がない。第3楽章は早めのテンポで飽きさせなかった。独唱者は第3楽章が終わってから入ってきた。

イワンナ・プリシュ(S)
オリガ・タブリナ(A)
オレクサンドル・チュフピロ(T)
アンドリー・マスリャコフ(Br)

Brがどういう歌いはじめをするか、大いに注目した。「オー・フロイデ」という声を聴いたとき、「違う!」と感じた。いい意味で。スラブ人の低音は違う。地声が違うのか。

胸を張って、客席を左右に見渡して歌った、ロシアの英雄のポーズというのだろうか。「人民諸君、我に従え」と歌っているように感じたものである。

あとはノリノリになって、感動的な演奏になった。合唱(志おん合唱団)もよかった。

最後の4重唱で、ソプラノとメゾソプラノは視線を合わせながら、ノビノビと美しく歌った。普通は、ここは劇的に歌うところで、耳のタコができるほど聞いてきたが、こういう歌い方もあるのかと、新鮮だった。

年末の思わぬプレゼントとなった演奏会だった。





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