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12月8日 北とぴあ 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 [音楽]

2017年12月8日、王子駅前の北とぴあ・さくらホールで、グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」を見る。バレエがあるので、セミ・ステージ形式ということになる。

指揮:寺神戸亮
管弦楽:レ・ボレアード

オルフェオ:マティアス・ヴィダル
エウリディーチェ:ストゥキン・エルベルス
アムール:鈴木美紀子

ダンス 振付:中原麻里 ラ・ダンス・コントラステ

オルフェオとはオルフェのことで、死んだ妻のエウリディーチェを冥界から連れ戻す途中、妻を見てしまったことで、エウリディーチェは死んでしまう。日本のイザナギ・イザナミの話と同じだ。オペラはハッピーエンドで終わる。

序曲を耳にした途端、アレッ、モーツァルト?と思ってしまった。第3幕の終わりも「フィガロ」を思い起こしたものである。実際は、順序が逆で、モーツァルトがグルックの影響を受けた。

違うところは、オペラが終わっても、延々とバレエが続くことである。演奏は、パリ版によっているのでバレエシーンが多い。

非常に親しみやすいオペラである。バロック時代のオペラに関心が深まった。有名なのはなんといっても「妖精の踊り」で、ピリオド系の演奏だったので違う曲のように聞こえた。他に第3幕のオルフェオが歌う「エウリディーチェを失って」はよく聞く曲である。メゾ・ソプラノのアグネス・パルツァの歌唱で知っていた。

北とぴあのさくらホールは座席数が1300で、この種のオペラを聴くには最適である。声も通りやすい。オルフェオを歌ったマティアス・ヴィダルはほぼ出ずっぱりだったが、素晴らしい歌唱だった。

高水準の演奏で、日本人奏者の実力を知ることができた。

(日本人が初めてうたったオペラが、このオペラである。1903年7月、東京音楽学校奏楽堂で歌われた。ピアノ伴奏だったそうである。主演者の一人が三浦環だった。日本のオペラ事始めの記念碑的作品である。)