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2016.10.06 N響特別演奏会 マーラー交響曲第3番 [音楽]

2016年10月6日。19時~20時40分。サントリーホールでパーヴォ・ヤルヴィ=NHK交響楽団の特別演奏会を聞く。

座席は2階中央前列。チケット代15000円+イープラス手数料216円+発券手数料108円、総支出額15324円也。

N響90周年&サントリーホール30周年を記念する演奏会だった。

曲目は、マーラーの交響曲第3番。標準演奏時間は100分(1時間40分)かかるので、これ1曲のみ。かってはギネスブックに最も長い交響曲として紹介されていた。

途中休憩なし。こういう時に守るべきこと。

①遅刻しない。遅刻したら自分の席に座れない。後ろで聞く羽目になる。

②水分は控える。開演前にトイレに行くことはもちろんだ。

第1部が終わった時に少し間があり、遅刻した人がいるかどうか見まわしたが、座席に移動した人は一人だけだった。聴衆もベテラン?でした。N響の演奏会は古参の聴衆が多く、客席もタルミがない。真剣勝負のような演奏会になる。

独唱は、ミシェル・デ・ヤング(メゾ・ソプラノ)。
合唱は、東京音楽大学合唱団、NHK東京児童合唱団。

でも、独唱、合唱とも出番は少ない。合唱団は最初からステージ後方の座席に座っていた。独唱は第2部から舞台に出てきた。もっともオケの右後方で歌ったので、右側の座席の人は見えなかっただろう。合唱団も出番が少ないと緊張するのだろう。特に子供は。一人体調を崩した。先日の演奏会でも見たことがある。

ヤルヴィ=N響のマーラーは先月「千人の交響曲」を聞いて失望した。席が悪かったのだろう、音が干からびて聞こえたのである。

本日の演奏会は? 冒頭を聞いた時、厚みのある音で全然違うと感じた。演奏会はホールと席によって聞こえ方が全く違う。

マーラーの第3交響曲は二部構成で全6楽章。レコードでも聞いたことがなく、ぶっつけ本番である。1&2楽章が第一部で33分ぐらい。乗れない曲で我慢会かと覚悟した。第2楽章は行進曲風で、「スターウォーズ」を思い出した。

諦め?ていたところ、第3楽章のポストホルンの演奏が美しく、これは、と思い直した。このポストホルンはステージ裏で吹いていたのだが、知らなくて、誰が吹いているのかと、ステージを何度か見まわした。曲に入り込めるようになったのはこの当たりから。

第4楽章で、やっとミシェル・デ・ヤングの出番となる。歌詞はニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」からである。”深い真夜中は何を語っているのか?”の一節で、ニーチェを読んだ昔を思い出した。

ミシェル・デ・ヤングは巨躯で、ヘアスタイルはヒッピー風のチリチリパーマだから、通りでこの巨体を見かけたら避けて逃げるだろう。しかし、芸術には関係なし。大変に深い声で聞き惚れた。

第5楽章でやっと児童合唱団の出番があったが、記憶に残らない。第6楽章はゆったりとした美しい旋律で、ブラームスを思い出させるものがある。曲の構成からいうとチャイコフスキーの「悲愴」を思い出すが、「悲愴」のような消えてなくなる終わり方ではなく、クライマックスはティンパニー2台が派手に打ち鳴らして決める。終結部の直前にはN響も疲れていたように聞こえたが、最後は残りの力を全部出して?重量感のある音を出していた。

N響の音は厚く重量感があることを確認できた。

こういう演奏を何と言っていいのか。感動したが、湧き上がるような感動ではなく、重くずっしりとした感動である。大長編小説を読んだ後のような感動だった。


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