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ウィーン・フォルクスオーパー「チャルダーシュの女王」 [雑感]

ウィーン・フォルクスオーパーが来日した。エメリッヒ・カールマンの「チャルダーシュの女王」をききに行く。ホールは上野の東京文化会館。何年ぶりか? ひょっとしたら50年ぶり? あれからこんなに年月が経ったのかと思う。学生時代に聞きに行ったのだから。

東京文化会館は日本で初めて建てられたコンサートホールである。完成した時は、やっと専門のコンサートホールができたのかと思ったものだ。

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それが今ではコンサートホール過剰状態になった。室内楽用の小ホールは勘定できないぐらいだ。プロの演奏家では埋まらなくて、アマチュアのオケの演奏会も頻繁に開かれるようになった。全体の需給バランスを考えないのは日本の通弊である。

上野駅には、横浜から上野湘南ラインを利用した。乗り換えなしで便利になった。

開演1時間前に指揮者のルドルフ・ビーブルが楽屋入りするのを見た。もう高齢である。オペレッタにふさわしく、テンポよく軽めに指揮する人である。

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「チャルダーシュの女王」は初演が1915年。つまり、第一次世界大戦の最中である。前線の悲惨さはウィーンの聴衆には分からなかったのだろう。熱狂的に受け入れられた。この曲は、敵国であるパリやロンドンでも広まったという。

第一次世界大戦の歴史的意味から思えばこれらは皮肉にしか見えないが、人は変化に鈍感である。昨日の生活が今日も続き、明日も続くと思っている。もっともそう思わなければ生活できない。

「チャルダーシュの女王」はワルツ主体の音楽ではない。題名通りのチャルダーシュ、ウィンナ・ワルツ、ジャズ風のフォックストロットで生き生きとしたステージが繰り広げられる。

「チャルダーシュの女王」と呼ばれている歌手のシルヴァ・ヴァレスクと侯爵の息子・エドウィンの意地の張り合いのような恋のもつれがストーリーである。

第1幕は歌と踊りで終始する。第2幕、第3幕はドラマ部分が多くなる。字幕ばかりを見ていた気がする。ドラマ的には、第2幕の幕切れ、シルヴァがエドウィンの結婚誓約書を破り捨てる場面がこのオペレッタのヘソだろうと思った。

世紀末のウィーンの陶酔と甘美さを感じさせるオペレッタで、チケット代金は高かったが満足した。

ルドルフ・ビーブルの指揮は、ティンパニーが強すぎるきらいがあった。歌手は全般的に好調だったが、主役のシルヴァ・ヴァレスクを演じたアンドレア・ロストは声の伸びに乏しかった。地なのか、緊張しすぎたためかは不明。
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