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「地中海の虎」(エドガー・G・ウルマー) [映画]

海賊映画コレクションの一枚。

1949年製作。モノクロ映画。監督は、エドガー・G・ウルマーで、「カーネギー・ホール」を監督している。主演は、主役の男優がルイス・ヘイワードで、女優がマリエラ・ロッティ。全然記憶にない俳優である。

音楽は、ニーノ・ロータ。その他、クレジット・タイトルを見ると、イタリア人の名前が多く、これはイタリアで製作したアメリカ映画である。風景やセットもハリウッド映画とは、やはり違う。

第二次世界大戦終了直後は、ドル一強の時代で、為替も固定相場制。アメリカがイタリアで稼いだ金もアメリカ国内に還流できなかった。イタリア国内に滞留した資金が多額に存在した。そういう資金を使って、ハリウッドはイタリア国内で映画を製作した。

その中でもっとも成功した作品がオードリー・ヘップバーンの出世作「ローマの休日」である。

この映画もその口だろう。

一言でいえば、これは海賊映画ではない。1799年のナポリ王国打倒の民衆蜂起映画である。時代劇である。原題が「カプリの海賊」ということで、海賊映画コレクションに収録されたようだ。

1本の映画としてみれば、面白くもなし、つまらなくもなし、である。途中から史実はどうだったのだろうかと気になりだした。

ナポリ王国は、フェルディナンド4世が統治していた。しかし、この映画ではまったく出てこない。フェルディナンド4世は遊びに夢中で、政治を顧みず、実権は王妃のマリア・カロリーナが握っていた。マリア・カロリーナはマリア・テレジアの娘であり、マリー・アントワネットの姉である。この映画でも、マリー・アントワネットのことは何度がセリフに出てくる。

映画の最後では、マリア・カロリーナは退位宣言に署名する。

史実は、1799年にバルテノベア共和国がいったんは建国されたが、王側の反撃で打倒されてしまった。その後にナポレオンの支配下に置かれ、ミュラ王朝ができ、ナポレオンの敗北後はブルボン朝に戻り、イタリア統一まで存在した。

この映画は、バルテノベア共和国ができるまでの民衆蜂起を描いていることになる。
タグ:地中海の虎
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