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井上道義 [雑感]

井上道義の記事が、日経の文化欄に掲載されていた。囲み記事ではなく、全面を使っている。

18日にマーラーの「復活」を指揮したのだ。実は、私はこの演奏会を聞きに行っていた。

結果は、自分の体力の限界を知った。コンサートは、これが最後だと決めた。80分間休みなく聞く体力がないことを知った。家だったら、1楽章ずつ小分けして聞けるが、ホールではそれがない。

冒頭の異様な迫力はわかったが、それ以後は惰性で、第5楽章に至っては、大音量の連続で疲れ果てた。肝心のフィナーレにやっと辿り着いたのだった。ともかく、読響の演奏が凄く、このオケの大音響はたいしたものだ。しかも音が乱れることがない。

井上道義は、来年、77歳で引退する。早いのではないかと思うが、自分で限界を感じたのだろう。

指揮者も色々で、最後の最後まで頑張る人もいる。外山雄三は最後まで指揮した。最後の演奏会では、演奏の途中で意識を失い、控え室に運ばれ、間もなく亡くなった。

聴衆の方だって、どこかでホールに行けなくなる。ホールに行くのが重労働であり、ホールで2時間余り聞くのも重労働。音楽を聞く聴力も衰えるとあっては、いつしか、コンサートからは遠のく。

毎月、「音楽の友」を買って、コンサート・ガイドを楽しみにしていたが、今月は買わなかった。これから買うこともないだろう。

「レコード芸術」は今年廃刊になった。20代には楽しんで読んだものだが、時代の流れは恐ろしい。レコードの時代ではない。レコード芸術の創刊は、1952年だった。創刊号の復刻版を持っている。71年の寿命だった。

青春時代の思い出がなくなりつつある。自分の命もさきざきは知れたものと思う。

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