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東フィル/アンドレア・バッティストーニ [音楽]

3月15日。14時から、アンドレア・バッティストーニ指揮=東京フィルハーモニーの演奏会を聴く。東京オペラシティで。平日の昼のコンサートだった。ほぼ満席。今のクラシックの客層は女性か、年金組だから、平日の昼間の方が都合がいい。年金組にとっては、夜のコンサートは体力的にきつい。

プログラム。

ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲 (約8分)

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」(約46分)

(アンコール ドヴォルザークのスラブ舞曲第8番)

2曲合わせて1時間に満たないプログラム。アフタヌーン・コンサートだから、この程度がいいのかもしれない。(休憩&プレ・トークがあったので、終了したのは15時40分頃。)

アンドレア・バッティストーニはイタリア指揮界の若手三羽ガラスの一人という。若手三羽ガラスとはミケーレ・マリオッティ(1979年生)、ダニエーレ・ルイスティオーニ(1983年生)、アンドレア・バッティストーニ(1987年生)をいう。

先月、二期会の「トスカ」の公演を観たが、指揮したのがダニエーレ・ルスティオーニだった。その指揮ぶりが素晴らしく、じゃあ、残りの二人は?ということで、バッティストーニのチケットを急遽求めた。

ダニエーレ・ルスティオーニはイケメンでカッコいい。女性フアンが多いだろう。バッティストーニは小太りで、見た目は”野獣派”である。


ヴェルディとチャイコフスキーという風変わりな組み合わせの演奏会だったが、プレ・トークがあり、ヴェルディの歌劇「運命の力」はロシアの帝室歌劇場の依頼で作曲されたことと、「運命の力」「悲愴」とも運命をテーマにしている点が共通すると解説していた。

バッティストーニの指揮ぶりはダイナミックで、聴きようによっては”爆演”に近い。こういう思い切った指揮はなかなか聴けない。旋律を歌わせるところは思い切って歌わせる。イタリア人指揮者は人気があるが、なんといっても聴いていて楽しい。ネアカの演奏である。こういう演奏は一度聴くと癖になる。

とはいえ、東フィルがバッティストーニの意図したところを十全に表現しえたかというと疑問だ。

日本のオケは技術は高い。しかし、音が硬い。音を揃えることに心が向いてしまうからだ。これは国民性によるもので完全に解消することは不可能に近い。バッティストーニはもっと自由な演奏を引き出したいといっているが、成功する確率は低いと思う。

バッティストーニはアメリカのオケの方が向いている。シカゴ響で聴いてみたい。ともあれ、暫くは東フィルとのコンビである。幸いなことに、バッティストーニは東フィルの首席指揮者に就任しているので接する機会も多い。

次の演奏会が待ち遠しい。9月には演奏会形式でヴェルディの「オテロ」を演奏するが、これは聴きのがせないところだ。

現時点で判断すると、ダニエーレ・ルスティオーニの方が指揮が熟れていて洗練されている。才能は明らかで、第二のリッカルド・ムーティになるだろう。「蝶々夫人」「トスカ」を指揮しているので、次は「ラ・ボエーム」だろうか。

バッティストーニは来月「春の祭典」を振る。
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