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「その女アレックス」 [本]

ホテルというのは、読書にもってこいである。家にいては読めないような本もホテルでは読める。

ピエール・ルメートルの「その女アレックス」を2日間で読んだ。小さな活字で450ページある。老眼にはつらい。家で放置したままだった。

日本でも大評判になった小説である。

推理小説なのでネタバレできないが、読後感は重い。あとに尾を引く小説だと言える。

途中で、コーネル・ウールリッチ(別名ウィリアム・アイリッシュ)の小説を思い出した。あれと同じ仕掛けか、と気づく。

ウールリッチの小説は甘美なペシミズムが覆っていたが、ルメートルの小説はサディスティックなニヒリズムに充ちている。時代の相違だろう。


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