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「黒い画集 ある遭難」(杉江敏男) [映画]

松本清張原作。1961年製作。

兄の遭難死に疑問を持った妹が従兄弟に真相究明を頼む。

ほとんどが山岳場面というのが珍しい。俳優は脇役クラスで,製作費をけずったのかもしれない。

一言でいえば、非常にわかりやすい映画。ストーリーも無駄がない。脚本は石井輝男で,熟達している。杉江敏男の演出にも無駄がない。

それに何より、セリフが明快である。全部、聞こえ、理解できる。珍しい!

映画の基本は観客に理解させることだと思うが、今の映画は理解させるより、のせるのである。のるか、のらぬか、それが映画の好悪を決定する。

こういう映画術にはついていけない。

内容はともかく、気持ちよく見ることができた。


この映画の犯罪は,犯罪と云えるのかどうか。精神的動揺が起きるかどうか、天候が悪化するかどうか。確率に賭けているからである。

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