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絶望名人 カフカの言葉 [本]

風変わりな題名である。「絶望することの名人」ということ。この題名に惹きつけられて購入した。
これはカフカの著作からの抜粋集だ。

普通、有名著作家の抜粋というと、「ニーチェの言葉」に代表されるように、生きる知恵、生きる勇気を与える言葉を選ぶものだ。

だが、この本は違う。引き籠もり人間を慰めるような言葉がいっぱいだ。

著作権の問題もあるので、直接の引用はしない。

僕はまっすぐ歩けません、すぐ転んでしまいます、と。

これは、まぁ、日本のことわざで言うと、三日坊主ということか。
子供の時、母から三日坊主と言われて、大いに気にしたことがあった。しかし、三日坊主が当たり前となると、気にもしなくなった。気が変わった、ということでですませてしまう。あるいは、飽きてしまった、ということですませてしまう。
「転んでしまった」という認識がなくなる。

カフカの認識の方が痛切だ。

こういう言葉もある。

僕の人生は脇道に逸れるばかりです。元にはもどれません、と。

この言葉を読んで、自分の人生を振り返ってみた。確かに、脇道にそれてばかり。あそこで脇道に逸れた、またあそこで脇道に逸れた、と。自分でもあきれるぐらいだ。そうやって66年、生きてきた。本道がなんだったかも忘れた。

時間は元に戻らない、私の人生も然り。


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