SSブログ

1月13日 キエフ・オペラ「トゥーランドット」 [音楽]

1月13日。オーチャード・ホールでキエフ・オペラ「トゥーランドット」を見る。

指揮:ミコラ・ジャジューラ
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団

トゥーランドット:オクサナ・クラマレヴァ
カラフ:セルヒィ・パシューク
リュー:リリア・フレヴツォヴァ

「トゥーランドット」について知っていたことは、アリア「誰も寝てはならぬ」だけ。予習もせず、ぶっつけ本番で見る。

おおまかな印象は、スペクタクル・オペラであるということ。

中国が舞台で、トゥーランドットとは中国のお姫様の名前である。中国人の名前とは思えないが。「トゥーラン」なら中国人風にきこえるが、「ドット」が余計だ。

このトゥーランドットなるお姫様が三つの謎を出す。謎を解いた男と結婚するという。解けなければ…首を切り落とす。なんとも残酷な女だが、中国の女なら、あり得るかもしれないと思うところがミソ。中国の悪女は凄い! 則天武后のイメージがあるからだろう。

私なら、「トゥーランドット」とせず、「氷姫」と題名をつけるとことだ。

第2幕の謎解きは、スフィンクスとオイディプスの故事をヒントにしていることは明らかだ。これが結構面白い。オペラは台本が大切だということが、よく分かる。

残酷さにも事欠かない。第1幕では、謎を解けなかった男が首を切られてしまうし、第3幕はリューの拷問と自決がある。

音楽はプッチーニ節満載で、なんの抵抗もなく受け入れられる。プッチーニは第3幕のリューの死までを作曲して死んでしまったので、そのあとの結末部は補作である。グレードが落ちるという評価だが、気にならなかったな。

ミコラ・ジャジューラ=ウクライナ国立歌劇場管弦楽団の演奏も良かった。新国立劇場オペラハウスのオケもこのぐらいの音を出してもらいたい。

瑕疵があったとすれば、カルフを歌った歌手か。声が弱かった。

最後のトゥーランドットの歌う”それは愛”は感動的だが、ホールの外に出てしばらくすると、こんなことがあるだろうかと思う。根性悪の姫君の一時の感動のなせる台詞である? いずれカラフの寝首を掻くに違いない? 高齢になると、素直に感動できません。


共通テーマ:音楽