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演奏会の感想 [雑感]

ネットで、音楽会の感想を、どう書いていいか分からないという文章を読んだ。確かに、難しい。

基本的には感動したか、しなかったか、それだけだ。一つの文章で足りる。なぜ、どこで感動したかというと、それは分からない。理屈は後でつけるだけだ。演奏者のオーラもあるだろうし、ホール全体の雰囲気も作用する。これは再現できない。一期一会である。

人間の耳は主観的で、聴く音を選別し、思いを付加する。演奏に興が乗ってくると、音がいつの間にか大きな音に聴こえるようになる。いい音を拾い出し、嫌な音は遠ざける。いつの間にか、自分で音を編集してしまう。

客観的な物理的な音とは異なる。よくレコード批評などで、実演ものが音を捉えきれていないということがあるが、これは逆だ。レコードは音を捉えている。捉えていないのは、その演奏会場で自分が付加した思い・感情である。マイクがそれを捉えることは不可能だ。



実は、昨晩(12月23日)にサントリーホールでヘンデルの「メサイア」を聴いた。鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパン。3時間は長い。今年の演奏会疲れがいっぺんに出たものか、第2部は白河夜船だった。

だから、つまらなかったのだろう。曲とか演奏がつまらなかったというのではなく、それ以前にキリスト教に対し、心理的バリアーがあったらしい。

キリストが神なのか、人なのか? ここで躓いてしまう。

自分にとっては、仏教の方が馴染んできただけあって近しい。入り口で躓いては音楽どころではない。若ければもっと柔軟に聞けたかもしれないが、高齢になると頑固になる。

バッハ・コレギウム・ジャパンのような室内管弦楽団にはサントリーホールは大きすぎる。先日はさいたま芸術劇場で聴いたが、ちょうどいい大きさだったと思う。

BCJの冒頭を聴いて、ビーチャムのレコードを思い出した。ここなら大オーケストラで聴きたい。ビーチャム盤はユージン・グーセンスのド派手な編曲で有名だった。

今の演奏スタイルは、誠実だが、息苦しい。そろそろ”大演奏”が復活してもいいと思うが。


(補足)

ソプラノ:レイチェル・ニコルズ

アルト(カウンターテナー):クリント・ファン・デア・リンデ

テノール:ニコラス・バン

バス:加耒 徹

つけ加えると、コンサートマスターは寺神戸亮だった。

アンコール一曲でクリスマスソング。「まきびとひつじを」
タグ:メサイア
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