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5000万部 佐伯泰英 [本]

佐伯泰英の時代小説は、今月出版したもので,200冊、累計5000万部に達した。本人がそのように書いている。

200冊、5000万部。

ホンマかいな。1冊平均25万部。ウーン、あり得る数字なのだろうか。

佐伯泰英の小説は,ブックオフにも大量に置かれている。1冊の本が数回にわたり売り買いされ,回し読みされている。読者数はもっと多くなり、25万人ではおさまらない。

”文庫書き下ろし”という形態は,佐伯泰英が発案した。元々小説を執筆していたが、売れなくなって廃業寸前になり,”文庫書き下ろし”の時代小説を出版社に売り込んだ。老舗出版社には断られ、角川春樹事務所で採用された。

それが始まり。

1冊の小説を書くのに20日かかる。全体で5章、20節で、1日1節を書けば、20日で書き終えることができる。

経歴を見ると、日大芸術学部映画科出身である。シナリオの修行をしていたのだろう。ハコ書きから作り上げる習慣が身についているのだろう。

年齢は、1942年生まれだ。もう72歳である。普通なら、創作力が衰えてくる年齢である。

先日短編を読み進めたポルノ作家・館淳一は1943年売れまで、同じく日大芸術学部。こちらは放送学科出身である。面識がなかったのだろうか?

高齢になっても大量の小説を書き続けることができるのは、パソコンのおかげである。昔は、万年筆で手書きした。この疲労は並大抵のものではない。

今は、キーボードを叩くだけ。慣用的な文章は登録すればいい。修正も容易である。作家生命が延びた理由である。また、大量執筆できるのも、同じ理由である。


(追記)

自分にしても,手書きしなければならないとしたら、もう文章を書くのは面倒で、とっくにやめていたかもしれない。こうして文章を書けるのも、パソコンのおかげである。

佐伯康英が文庫書き下ろしを発想したのはどういう理由かは知らないが、最初から文庫本にするという発想は時代にあっていた。

高い定価の単行本より、安い文庫本の方が売れる。出版社としては売上げが上がらないのだから拒否反応を示したとしてもうなずける。

それに高齢者社会なら、文庫本の方が売れるはずである。私も文庫本・新書本を多く買う。

理由は,簡単なので、文庫本・新書本の方が”軽い”からである。段々と腕力がなくなり、本の重さがつらくなる。

単行本を手にするのはシンドイ。今の単行本の作り方は,机に向かって読書することを前提にしている。寝転がって読む、椅子に座って手に持って読むということは考えていないようである。

シニア向けに字は大きめの活字を使うようになったが、重さについては無関心である。これは気が利かないと思う。


タグ:佐伯泰英
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