老けた顔

散歩しているとき、近所の奥さんと出会う。ご主人が今年の夏、脳溢血で倒れ、入院リハビリ中という。

今年の夏は過酷だった。暑さで体調を壊した高齢者は多い。

ご主人のことはともかく奥さんの顔もやつれ果てている。ご主人が入院中という心労のためばかりとも思えない。

近所の人で、急に老けてしまったという人は他にもいる。

本人は気づいているのかどうか…。

私はどうか。外を歩く分には差し支えないが、体の感覚は衰えた。元気さも感じないし、疲れも感じない。食欲も起きない。時間が来たから、食事をとる。習慣でしかない。

こんなものなのか。そういえば、父も食欲はない、といつも云っていた。ただ食べるだけ。味気ないと思ったが、自分も同じようになるとは。

私の顔も老けたはずである。しかし、毎朝、鏡を見ただけではわからない。いつもの顔、という印象しか受けない。

自分の顔が老けたのかどうかは、写真に撮るのが一番良くわかる。最後に写真屋に行ったのは、パスポートをとるためだった。この時点ではまだよかった。

それ以後、どう変わったのか。顔の肉がたるみだした。容貌はどう変化しているのか。他人にはどのように見えるのか。

気になり出した。また写真屋に行き、写真を撮ってもらうとしよう。

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