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死生観の間に [雑感]

日本には古来から死生観が存在していた。実は、私は死生観を持っていないので、そういうものが存在していたと観念するしかない。

なぜ死生観というのか。なぜ生死観ではないのかという疑問がある。「死」が先に来る。そのあとに「生」である。これでは死があって生があるということだ。死が先にあり、生がそれに従う。

奇妙なものだ。生かあって、その先に死が待ち構えているというように私はイメージしている。

この問題は解けていない。もっとも解けないことに不満があるわけではない。受験勉強ではあるまいし、人生の問題は解けないものの方が圧倒的多数だと思うようになっている。

山折哲雄の「人生三原則」という本に現代人の死の難しさを書いた箇所があり、参考になった。古来の日本人には死生観があった。ところが、現代では生と死の間に「老」と「病」が入り込んでいるというのだ。

「生→死」ではなく「生→老→病→死」ということなのだろう。これは正しい。退職して、そのあと老年期があって、次に介護があって、その果てに死ぬというのが、晩年のプロセスだからだ。死を遠く感じるのはこのためである。

時代に即した新しい人生観が必要なのだろうが、それが未達成である。長命社会の人生観については教科書はまだできていない。自分で書くしかない。
タグ:死生観
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